合格までの道のり
このブログを読んでくださっている方は、恐らく証券アナリスト試験の勉強方法に不安がある方、勉強はしているけど合格できるかどうか心配な方等々ではないかと思います。
私自身も、2次試験を突破するまで、本当に不安でした。
証券アナリスト資格を取得するため、日々一生懸命勉強をされている方に、少しでも参考になればと思い、10年ほど前の自分自身の受験生時代を振り返ってみたいと思います。
なお、証券アナリスト1次試験の勉強方法も書いておりますので、ご興味あればのぞいてみてください。
ちなみに、当ブログを書くにあたって、改めて自分の合格までの道のりを確認してみたところ、
- 2008年:受講開始
- 2010年春:証券・経済合格(財務は落としてました・・・)
- 2010年秋:財務合格
- 2011年:2次試験合格
でした。1次試験1回目で(確か数点足りず)財務不合格。思い出しました。その後必死に財務諸表に関連する公式とか必死で覚えた記憶もよみがえりました。
証券については、当時の仕事内容とほぼリンクすることもあり、自分自身のキャリアアップ志向ともリンクし、意識高めで楽しく勉強したことを覚えています。
勉強時間
勉強時間は、合格までに平均的に必要とされる100時間程度、あるいは、それよりもう少しやったかな、という印象です。
とはいえ、すべての勉強を机の前でやったというわけではなく、1次試験のブログでも書いているかと思いますが、仕事のある平日は電車の中とか、歩きながらとか、とにかく隙間時間を見つけてアナリスト試験対策をしていました。
休日はできる限り時間を取って、机の前で試験勉強をしていました。
当時は、自宅で頑張って勉強していたのですが、今であれば外に出て、カフェとかドリンクバーのあるファミレス、あるいは図書館とかで勉強すると思います。自宅は本当に誘惑が多いので、自分に負けてしまうんですよね。
勉強方法
1次試験がマークシート方式であるのと違い、2次試験は記述試験です。テキストや参考書で学んだことを、実際に紙に書きながら覚えていくスタイルで勉強しました。
そして、隙間時間の電車等で使えるように、(1次試験でも使用していた)単語帳、公式の紙(当時はExcelで作っていましたが、今はもっと良いアプリとかありそうですね)をプリントアウトして持ち歩き、ブツブツとつぶやきながら覚えていました。
机に座って勉強できるときは、原始的ではあると思いますが、とにかく手を動かして紙に書いて学ぶ、計算が必要な問題は必ず自分で解いてみる、ということを意識して勉強しました。
勉強するのに気が乗らない、という時も当然あると思います。けどとにかくスモールステップで、5分でも書いてみようと思って始めると、意外に楽しくなって、そこから集中的に勉強できてしまった、というようなことが、自分の経験上何回もありました。
参考書・補助テキスト
当時使っていた参考書・補助テキストについても書いておきます。
正直言うと、2次試験においても、アナリスト協会の通信教育テキストは使用しませんでした。というよりも、実際には一度も開きもしてなかったかもしれません(開かないようにおススメしているのわけではありません)。
基本としたテキストは、1次試験同様TACのものを使用しました。
数学に苦手意識を持ったまま社会人になってしまったので、計算等の理解をするのにも、やはり補助テキストを使用しました。その時に活用したのが「証券アナリストのための数学再入門」です。
私が実際に使用したのは増補改訂版ではないですが、確か著者の金子誠一氏はアナリスト協会の会長をされていた方ではなかったかと思います。
アナリスト実務で必要となる数学的な計算を初歩的なものからやや難しいものまで、わかりやすく書かれており、非常に役に立ちました。今でも時々読み返しています。
また、「2次試験ともなると、これまでよりますます難しいテキストで対策しないと」とか思いがちですが、個人的にはそんな必要はないと思います。1次試験で学んだ内容を記述で答えられれば合格できるのではないでしょうか。その意味でも1次試験のテキストは捨てずに取っておいて、場面場面で振り返って見直していました。
記述試験で部分点を取るという点では、細かいところまでの知識を深追いするのではなく、まずは全体像を抑えていくイメージがとても大事です。本によっては簡単すぎるということもあるかもしれませんが、概要を把握するための参考書として、オススメ本を書いておきます。
学部で経済をまったく勉強していなかったので、「経済」の科目では「落ちこぼれでもわかる~」シリーズを活用しました。これ本当にわかりやすいです。
もし少々時間的な余裕があるのであれば、下記の本は本当にオススメです。
証券アナリスト試験の中核は、ポートフォリオ理論であると思います。自分自身は試験前に読んでいなかったのですが(最近読みました)、試験前に読んでおけば良かったと思える一冊です。この本を読むと、現代ポートフォリオ理論の中核と言っても過言ではないマーコビッツの「平均・分散モデル」やシャープによる「CAPM」等について、ヒストリカルにわかりやすく描いてあります。これを読んでから試験勉強すると、メタ情報的にポイントがつながって、長期記憶になっていくのではないでしょうか???
理数系出身で、アナリスト試験の範囲の数学の理解に全く問題ないという方におススメするのは、ルーエンバーガーの「金融工学入門」です。アナリスト試験合格後に金融系の大学院に通ったのですが、大学院でも、ポートフォリオ理論や資産運用系科目の参考書には大体これが指定されていました。この内容がスラスラと理解できるような方は、恐らく証券アナリスト試験は余裕で合格ではないでしょうか。
1次試験との違い(記述方式)
とはいえ、マークシートから記述に試験の形式が変わることによるメリットは把握しておく必要があると思います。
- (マークシートのメリット)答えがわからなくても得点できる可能性がある
- (記述式のメリット)部分点がある(はず)
合格率
証券アナリスト試験2次試験は、試験の内容、学習内容はとても難しいのですが、安心してください!良く見ると合格率は結構高いんです!
アナリスト協会の試験データのページを見ると、合格率は2020年度試験で53.4%、2021年度は52.1%と、受験者の半分以上が合格していることがわかります。このことからも、試験は結構難しいのですが、2人に1人は合格できる試験ですし、ざっくり言うと、ほとんどの人が難しい試験だとは思っているものの、平均的に勉強をしていけば合格はできてしまう、という試験なのだと思います。
その意味でも個人的に大事だと思うポイントは、
- 勉強していて中々理解できないところは、あまり深入りしない
- 記述試験であるがゆえに、とにかく知っていることは回答用紙に書いておく
ということになるのではないでしょうか。
とはいえ、証券アナリスト2次試験は、勉強しないで受かる試験ではありません。アナリスト資格取得の先を見据え、自分の今後のキャリアに活かしてこうとするのであれば、しっかりと学んでおいて損はない試験です。現在の日本で圧倒的に不足しているとされる「ファイナンシャル・リテラシー」の向上にもつながる話しです。
先が見えなくて、不安でいっぱいになってしまうことも多いかと思いますが、今日一日の地道で、そしてとても小さいと思える一歩一歩が、将来の大きなリターンに必ずつながっていくことを信じて、どうか最後まで頑張ってください!
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